Rail or Fly

レールに乗るのか、飛び降りるのか、迷っているきみに届けたい。

人を誘うのが苦手な人のための、「人を巻き込む」方法。

僕は人を誘うのが苦手だ。

 

これまで、友達に声をかけて学祭に出店したり、一緒にウェブサイトをつくったりしてきたけど、心の底ではいつも「断られたらどうしよう、この人が気に入ってくれるような時間を提供できなかったらどうしよう」と思っていた。

 

唯一自分から誘えるのはさし飲みだが、それはおそらく僕の中の「人の考えを知りたい」という好奇心が、「誘って断られたらどうしよう」という恐怖心に打ち勝てるほど強いためだ。

 

人と一緒に何かをしようと思った時には、「人を巻き込む力」が必要になる。

 

しかしこの「人を巻き込む力」という言葉を聞いた時に思い浮かぶのは、周りの人に自分からどんどん声をかけまくることのできる、「最強のナンパ男」みたいな人種である。

 

実際、これまで学生団体のセミナーとか自己啓発系のイベントに出てみたことがあるが、そこで語られる「人を巻き込む力」というのは、結局は「ガンガン積極的に周りに働きかけていこう!」みたいな姿勢だった。

 

ひええ…。僕は人を誘うのは苦手だから、誰かと一緒に何かやるのは無理なのかな…。

 

昔はそう思っていたのだけど、ブログをずっと書いてきて、全然そんなことはないと確信した。

 

自分から人を誘うのが苦手な人でも、誰かと楽しく新しい何かに取り組むことはできる。

 

その方法は、「自分のメッセージを託したコンテンツをつくること」である。

 

なぜなら、自分のメッセージを託したコンテンツをつくると、それに共感してくれた少数の人が、向こうから声をかけてくれるようになるからである。 

 

 

 

 

 

もくじ

 

 

 

1、人を巻き込む4つの方法。

 

2、少数の人に声をかけてもらう方法のメリットとは。

 

3、どうやって、少数の人に声をかけてもらうのか。

 

 

 

 

 

 

1、人を巻き込む4つの方法。

 

 

 

僕は、「人の巻き込み方」には4種類あると考える。

 

・できるだけ多くの人に、自分から声をかける方法。→下図第1象限

 

・共感してくれる少数の人に、自分から声をかける方法。→下図第2象限

 

・できるだけ多くの人に、コンテンツ経由で声をかけてもらう方法。→下図第4象限

 

・共感してくれる少数の人に、コンテンツ経由で声をかけてもらう方法。→下図第3象限

 

 

 

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1にあたるのが、先ほど述べた「最強のナンパ男」である。自分の人的ネットワークを最大限につかって、まさにナンパのごとく、手あたり次第声をかける。声をかけた時にあっさり断られても気にしないし、一緒にやっていく中で「やっぱりやめます」と言われても気にしない。

 

2は、一緒にやれそうな仲間を見極めて自分から声をかける方法だ。「この人は自分と共感できる人だ!」というのがわかる人、人のことをよく見ている人にはうってつけの方法かもしれない。

 

4は、とにかく人の間で広がるようなコンテンツをつくって、仲間を集める方法。みんながおもしろいと思うこと、みんなの役に立つことを発信できる人には向いていると思う。以前「きみのブログに、アクセスはいらない。」で書いたうちの、「他人にむけて情報を伝える人」と近いかもしれない。

 

そして図の3にあたるのが、僕がこの記事で伝えたい方法である。自分の言葉を届けたい人をギリギリ極限まで絞って(僕の場合は自分自身にさえ届けばいいやと思って)、主観を込めたメッセージをインターネットの海に叩き込む。そうすると、不思議と自分ととても深いところで似ている仲間たちが集まってくれるのだ。

 

では、この3の方法のメリットとはなんだろうか。

 

 

 

 

 

2、少数の人に声をかけてもらうメリット

 

 

 

そのメリットとは、「はじめから共感してくれる人しか声をかけてこない」という点だ。

 

1の「多くの人に自分から声をかける」場合、間違えて入ってきたり、途中で脱落したりする人が増えるのは避けられない。

 

大学のサークルの新歓活動を考えてみよう。新歓活動にあたってはサークルごとにいろいろな方針があると思うが、一番多いのは「とりあえず多く入ってくれた方が、会費徴収やその後の係の決定などでいろいろと助かる」というスタンスではないだろうか。

 

実際、サークルというのは「とりあえず入ってみようか」という人が多い。部活動のように途中で辞めるのが難しそうということもないし、とにかく敷居が低いのだ。

 

その結果、多くの人が「自分には合わない」と言って辞めていくことになる。

 

2の「少数の人に自分から声をかける」場合も、あくまで見極めるのは自分だから、相手と自分との間でやりたいことに対する食い違いが生じる可能性は残る。

 

僕が学祭で足湯たこ焼きをやった時(詳細は「変人なんて、やめちまえ。」にて)は自分から声をかけたわけだけど、すみませんが辞めますと途中で言われてしまったこともあった。まあ、僕の求心力のなさが原因だけど…。

 

そして4の「コンテンツ経由で多くの人に声をかけてもらう」場合、どうしてもそのコンテンツは一般的に見ておもしろいもの、多くの人に受け入れられるものになりがちだ。もし自分が「世の中が沸くようなおもしろいものをつくりたい」というのであればそれでいいが、本当に共感できる人と一緒にやりたい、というのであれば、やはりそこから絞っていく必要があるだろう。

 

大企業は合同説明会などに一切出なくとも、採用ホームページさえあれば志望者は集まるだろう。しかし、(こんなことはありえないが)仮にその全員が採用となり入社したとしても、「やりたいことが違った」と言って辞めていく人が多数にのぼることは、想像に難くない。

 

しかし、「コンテンツ経由で少数の人に声をかけてもらう」場合、最初からコンテンツというフィルターを通して人を選んでいることになるので、自然と自分と似た人が集まってきてくれる。

 

僕の経験上言えることだが、サークルなどのつながりでさし飲みをした場合よりも、ブログ経由で飲んだ場合の方が、絶対に「この人、僕と似てるな~」と思うことが多いのだ。

 

これは良いとか悪いとかいう問題ではなく、僕のメッセージが詰まったブログというコンテンツを通り抜けてきてくれている人たちである以上、そうなるのは当然なのだ。

 

「星の王子様」で有名なサン・テグジュペリは、「人間の土地」で「愛するとは、たがいに見つめ合うことではなく、ともに同じ方向を見ることだ」と書いているが、恋愛だけでなく、人と一緒に何かをやる時も、趣味や嗜好が同じであることより、同じ価値観を持っていることが大切だと僕は思う。

 

 

 

では、どうやって「少数の人に声をかけてもらう」のか。それを最後に書こう。

 

 

 

 

 

3、どうやって、少数の人に声をかけてもらうのか

 

 

 

アクセス数こそ開店休業状態だが、僕はこのブログを通して、さし飲みの相手を見つけたり、就活中の寝る場所を提供してもらったり、シェアハウスの仲間を見つけたりしてきた。

 

だから、どんなコンテンツをつくれば人に声をかけてもらえるのか、ということに関して、少しは体験として理解しているつもりだ。

 

僕がブログを書く時にどんなことを意識しているのかと言えば、それは「露出狂になること」に尽きる。

 

悩んだこと、迷ったこと、辛かったこと…そういったことを、丸ごと書いてしまう。

 

なんでうまくいかないんだと、大声で叫んでやる。

 

インターネットは広い。そうやって自分の気持ちをさらけ出していると、いつか必ず、誰かの心に届く。

 

「ひとりぼっちだなぁ」と思って半ば諦めている人が、世界のどこかで同じように孤独に戦っている人を見つけた時にみなぎる勇気は、計り知れない。共通の巨大な敵を相手に別々の場所で戦っている、戦友を見つけた気分になる。

 

そして、「この人と、会ってみたい」と思うのである。

 

 

 

しかし、「露出狂になる」と言っても、全裸になってイチモツをそのまんま見せているコンテンツだけではいけない。もう少しソフトな段階にある、美しく着飾った上でチラ見せしているようなコンテンツも必要だ。

 

なぜそのような段階を踏む必要があるかというと、いきなり「モロ出し」だと引いてしまう人もいるからだ。まずは「チラ見せ」くらいから始めないと、刺激が強すぎるのだ。

 

その「チラ見せ」のために必要なのが、論理や客観性といったものである。

 

お気づきの方はいないと思うが(いたらよほど読みこんでいただいている方なので、本当に嬉しく思う)、僕のブログには「ほとんど感情でしか書いていない記事」と「論理やデータや図を使い、できるだけ多くの人に理解してもらうことを狙って書いている記事」が存在する。

 

例えば、下の記事たちは前者(モロ出し)である。

 

凡人であることを、僕は叫び続ける。

 

「人や社会の役に立ちたい」と、どうしても思えない人へ。

 

一方、下の記事たちは後者(チラ見せ)である。

 

「インターンの方が成長できる」という洗脳から、きみはそろそろ目覚めた方がいい。 

 

コミュニケーションの3つの目的から考える、「コミュ力」の正体。

 

なんとなく違いはわかっていただけると思う。

 

ちなみに、4つの記事のうち上にいけばいくほどモロ出し的であり、下にいけばいくほど紳士的である。

 

 

 

「少数の人に声をかけてもらう」と言っても、発見されなければ意味はない。

 

露出狂であっても、露出狂なりに着飾って注目を集めてからパンツを脱がなければ、最初からみんな逃げてしまう。

 

まずは論理や客観性を重視して広く読んでもらえる記事を書き、そこで強く興味を持ってもらえた人に「ああ、この人は自分の気持ちを本当にわかってくれているんだ…」と思ってもらえるような、心の深い部分をさらけ出したメッセージを書けばいいのである。

 

 

 

ブログの書き方に関連して、以下の3冊の本を紹介しておく。(いつか自分なりの文章の書き方についてまとめようと思っているので、その時に再度紹介すると思う。)

 

 

 

考える技術・書く技術―問題解決力を伸ばすピラミッド原則

考える技術・書く技術―問題解決力を伸ばすピラミッド原則

  • 作者: バーバラミント,グロービスマネジメントインスティテュート,Barbara Minto,山崎康司
  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
  • 発売日: 1999/03
  • メディア: 単行本
  • 購入: 76人 クリック: 775回
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元マッキンゼーのコンサルタントが書いた、文章力の基本中の基本。しっかりしてわかりやすい文章を書くために、絶対に読んで損は無い。あくまで個人的に、ではあるが、これは大学で読んでおくべき本の筆頭かなと思う。

 

 

ボールのようなことば。 (ほぼ日文庫)

ボールのようなことば。 (ほぼ日文庫)

 

 

 

 

ご存じ糸井重里さんが「ほぼ日」で綴った言葉を集めた本。「考える技術・書く技術」が「いかに意図したことを意図したように伝えるか」について述べた本だとすると、こちらは「いかに言葉に奥行きや広がりを持たせるか」について実演してくれている本である。

 

 

 

インバウンドマーケティング

インバウンドマーケティング

 

 

 

 

「インバウンドマーケティング」というのは、簡単に言えば「お客さんの方からやってきてもらう」というマーケティングのやり方である。この本を読んでいると、僕のブログの書き方は「インバウンドマーケティング」的なのかな、と思った。

 

 

 

 

 

人を誘うのが苦手な人のための「人を巻き込む」方法は、僕のような引きこもり大好きな人間にはぴったりだと思う。

 

でも、一匹狼を気取って死ぬまで1人でいるよりも、気の合う人たちとそれぞれの強みを活かし合って何かをやる方が、きっと楽しい。

 

僕はまだまだ「人を巻き込んでこれをやり遂げた」なんて言える経験は持ち合わせていないけど、この記事で書いた方法は、きっとそのためのヒントになるはずだと信じている。

 

これからもブログを通して、まだ見ぬあなたと出会えることを願っています。