Rail or Fly

レールに乗るのか、飛び降りるのか、迷っているきみに届けたい。

「つづく。」の宣伝と、僕がこの世界に訴え続けたいこと。

まず宣伝させてもらいます。

だいぶリリースが遅くなってしまったけど、半年くらい前から構想を温めていたウェブサイトの更新を開始した。

(2014/01/20追記:サイトは更新を停止しました。応援ありがとうございました。)

見ていただければわかるけど、完全に個人のサイトである。

人の人生をテーマにした、インタビューのサイトである。

就活をはじめこれから忙しくなるから、頻繁な更新は難しいと思うけど、ぼちぼちやっていこうと思っている。

誰かが、おもしろいとか、共感したとか、いや俺はこうは考えないなとか、思ってくれたら嬉しい。

また、「この人の話、聴いてみたいな」とか、「俺の話を聴いてくれ!」という方がいたら、ぜひ僕まで連絡ください。



宣伝はここまでにして、今日は、「世界を変えなくても、発信しても良いんだ」ということについて書こうと思う。

実は前も似たようなことを書いている。

「僕は人や世を変えることに興味ないんだ。」という記事である。

しかし、前に書いた段階では、「世界を変えなくてもいいのだ」ということは言っていても、「ではなぜ発信をするのか?」という質問にうまく答えられていなかった。

それも踏まえて、今日は書いてみようと思う。「世界を変えなくても、発信しても良いんだ」っていうことについて。



発信をするということは、世の中に何か訴えたいことがあるということなのではないか。

言い換えれば、訴えたいことがなければ、発信をする意味というのはないのではないか。

僕は、ずっとそのことで悩んできた。

なぜなら、自分には訴えたいことなどないように思えたからだ。

僕の所属する理学部には基本的にそういった人が多い、と思う。

理学部の研究というのは、世の中を変えるためではなく、純粋に自分の好奇心を満たすために行われている。宇宙がどうやってできたのか研究している人は、その謎を解明して何か世の中に役立てようとは考えていない。ただ「なんでそうなってるの?」という好奇心に突き動かされているだけだ。

(税金をもらって研究している以上、何かしら世のため人のため還元していくべきではあるのだろうけど、学問というのは根本では人間の「好奇心」に端を発しているわけだし、その本質的な部分は見過ごすわけにはいかないと思う。何にせよ、大学がどうあるべきかということについて論じる記事ではないので、このへんで。)

ただ、自分にとっておもしろいと思うものを、もっと世の中の人が知ってくれたらなぁ。僕は漠然とそう考えていた。



「僕は世の中をこう変えたいんです!」そう豪語する人たちを、僕はたくさん見てきた。そう言ってのける人がたくさん集まる場所や環境に、人並み以上に顔を出していたとも思う。し、「起業したいです」と周りの人に語っていた時もあった。

それは、「人と違う人生でありたい」という悲鳴にも似た切実な思いを「では、どのように?」と具体化する段階で、起業というのが非常にわかりやすい行為であったためだと思う。

しかし、結局のところ僕はこの世の中に不満を見つけることはなかった。不満を見つけてそれを変えていこうと思うよりも、おもしろいと思うものを見つけてそれを肯定していく方が、明らかに好きだし得意なのだ。

「世の中をこう変えたい」と思えない人間が起業などできはしないと思う。起業だけでなく、変革者にもともと向いていないのだ。そのジレンマに、長い間苦しんだ。

そして、「別にそういうスタンスでもいいんじゃないか」と、長い長い時間をかけて、思えるようになったのだ。



じゃあ、そんな僕が、ウェブサイトを作って発信するということで、何を伝えられるだろう?

世の中をこう変えたいと訴えるのでなければ、何をメッセージとするのだろう?



それは、「あなたはそのままでいいのだ」というメッセージである。

100%、現状肯定。啓発も、変革も、説教もしない。ただ、知らないどこかの誰かの人生をぽつんと載っけるだけ。

他人の人生の話をおもしろいと思わない人は、そこでサヨナラだ。

ブログでもウェブサイトでも、すべての人におもしろいと思ってもらえるコンテンツなどありえない。ビジネスでやっているなら、できるだけ多くの人にリーチさせる必要があるのかもしれない。でも僕がやっているのは完全なる趣味だ。興味を持ってくれた人にだけ、届けばいい。もちろん、このブログだってそうだ。

そうして読んでもらった誰かの人生のストーリーに、その人独自の価値観や考え方をふんだんに含ませる。

「こういうふうに考える人もいるんだ」「ここは賛同できないな」「これ、自分も思ってた!」…そんな感想を、きっと持つだろう。少なくとも、サイト運営者の僕は、インタビューを受けてくれたあらゆる人の言葉に対して、そんな感想を抱いている。

必ず、共感できる部分があるはずだし、「いや、俺はそうは思わない」と、逆に自分の気持ちが強まることだってあるはずだ。

記事を読んでもらうことを通して、人生が持つストーリーのおもしろさを感じる中で、「間接的に」あなたもそのままでいいと、そのメッセージを伝えたいのだ。



大学で数年間、「自分はいったい何がやりたいのか?」ということを問い続けてきた。

その一つの集大成が「つづく。」というウェブサイトである。

もしも興味を持ってくれた方がいたら、一度のぞいてみていただければ幸いである。

世の中を変えよう、変えようと思う人ばかりが目につく中で、一人くらい、「そのままでいいんじゃないか」と思っている人間がいたっていいと思う。

僕と同じ思いを持つすべての人に、届けたい。



Please catch this my song, 君に届くように

Please catch this my song, 歌っていたのさ 1989

(1989/the pillows)