Rail or Fly

レールに乗るのか、飛び降りるのか、迷っているきみに届けたい。

2014-01-01から1年間の記事一覧

どこでもドアが開発されても、僕は電車で通勤するだろう。帰りだけね。

くたくたの頭を抱えて、帰りの地下鉄に乗る。 この瞬間が、1日で一番好きかもしれない。 仕事のために回していた頭が冷えていく。会社にいる間は否応なく晒され続ける、多数の視線から解放される。 電車の中にいる人たちはみな、僕と同じスーツ姿で、僕と同…

はてなブックマークは、人を殺す。

もちろん、比喩的に。 僕がこのブログを書き始めて一月ほど経った、2年前のことだ。 何の気なしに書いた、英語を話せても代替不可能な人間になんてなれやしないんですよ という記事が、たまたまホッテントリ入りしてしまった。 インド・ムンバイのアパートの…

昔の自分は他人だ。

昨日は、僕の住んでいるシェアハウスの住人たちや、彼らとはまったく面識のない僕の友人たちを集めて、飲み会をした。 まったく面識がない、と言っても、おそらくこの人たちなら一緒に楽しくお酒を飲んでくれそうだな、と思って招集した人たちだったし、事実…

尖らせたタイトルやロジックの確かさだけでは、気持ちの良い文章は生まれない。

毎日文章を書いていると、今日は気持ちよく書けたとか、どうもいまいちだとか、いろいろな日がある。 作文というのは半ば無意識的な行為であって、規格化された商品を工場のラインに乗せて生産していくのとはわけが違う。ムラが生じるのは当然と言えるだろう…

会社を辞めてもつまらないブログはつまらないままなんだよ。

以前、イケダハヤトさんの下のようなエントリーを読んだことがある。 「会社員ブロガー」は客観的に見て「つまらない」 僕もこの4月から晴れて社会人となり、インターネットの片すみで「会社員ブロガ―」として文章を書いているわけだが、この記事に対して思…

飲みに誘われることによって鍛えられる、コミュニケーションの筋肉。

昨日はとある社内の方とさし飲みをした。 最近、先輩方に「お前さし飲みが好きらしいな。今度行こう」と誘っていただけるようになり、嬉しい限りだ。 さし飲みは誘う場合も誘われる場合もあるわけだが、僕の場合は誘われることが多い。自分から誘うのが苦手…

「大企業かベンチャーか」という二者択一で考えるのは、即刻やめるべきだ。

みんな、「大企業かベンチャーか」という議論が大好きだ。インターネットでは、たいてい後者が良しとされているのだけど、たぶんリアルの世界で十分な数の就活生をランダムに選んで聞いたら結果は逆転するだろう。 大企業のほうが成長できるとか完全にウソ -…

「嫌われる勇気」を、はき違えてはいけない。

話題になっていた「嫌われる勇気」を読んだ。 哲人 すなわち、「自由とは、他者から嫌われることである」と。 青年 な、なんですって!? 哲人 あなたが誰かに嫌われているということ。それはあなたが自由を行使し、自由に生きている証であり、自らの方針に…

なぜ僕らはサブカルや教養主義にハマるのか。

※この記事に書かれていることは、科学的には何の根拠もありません。 なぜ僕らはサブカルや教養主義にハマるのか。これは、僕の長年の疑問である。 何がしたいのかさっぱりわからない現代アートを神妙な顔をして眺め、机に山積みにしたエログロ漫画を朝から晩…

「おもしろいことをやっている人」という言葉が嫌いだ。

僕は、「おもしろいことをやっている人」という言葉が嫌いだ。憎んでいる、と言ってもいい。 できることなら、誰かをその言葉とともに紹介されたくないし、自分はそんな言葉をかけられたくない。「おもしろいことをやっている人たち」の集団や、それを取材す…

ブログの告知をFacebookでやるのは、本当は、とても怖いけど。

昔こんな記事を書いたことがある。 友達に嫌われるのが怖くて、発信ができない人へ。 この記事を書いてから1年半が経ったけれども、いまだに僕は、友達に嫌われるのが怖いという感情を抱きながら、ブログ更新を続けている。 しかし、この記事を書いた時とは…

酒席の帰り道の万能感と、翌朝の布団の中の喪失感を、僕たちは忘れちゃいけない。

今日もまた、さして酒に強くもない身体をだまくらかしつつ、ダムが限界を突破しないように、酒を飲んでいた。 試合の前日にリミットいっぱいで計量をパスしたボクサーがしこたま肉を食らうように、僕は果てしなく水を飲む。 そうして、今日も良い飲みだった…

ミーハー心や知名度で就職先を決めて、何が悪いんだ。

就職活動をしていた頃、人気の業界やいわゆる一流企業を目指す学生たちを鼻で笑うような人に、何度か出会ったことがある。 あるいは、大企業に行っても誰も守ってくれない、これからは自分がどうなろうとも生きていけるだけの力を身につけるべき時代だ、とい…

'何者' / 朝井リョウ - 誰かを肩書きや見かけで判断してあざ笑っても、何者にもなれやしないんだ。

あなたは、「何者」かになりたいと思っている人たちを、バカにしたことはないだろうか? SNSのプロフィールに尊敬する起業家や冒険家といった人たちの名前をスラッシュを交えて並べ立て、「クリエイティブ」やら「ノマド」やら中身のない横文字を大量に含ん…

「好奇心はそれ自体存在理由を持っている」という名言が好きな人へ。

インターネット上で(特にTwitter上で)よく目にするのが、アインシュタインの次のようなセリフである。 The important thing is not to stop questioning. Curiosity has its own reason for existing. 大切なのは、問うのをやめないことです。好奇心は、そ…

なぜあなたは「自分が自分であること」を自覚してしまうのか?

生きていると、「自分が自分であることなんて、感じなければよかったのに…」と思うことがある。 「自分の納得する生き方ってなんだろう」と夜な夜な考えてしまった時とか、大切な誰かと意見が合わなくてケンカしてしまった時とか…。 「自分が自分であること…

人に何かをお勧めする時に必要な座標軸の話。

「おススメの音楽(小説、映画、マンガetc...)って何かないですか?」 この問いに答えるためには、3本の座標軸が必要だ。 一般受けするかどうか、相手の好み、そして自分の好みだ。 「一般受けするかどうか」の座標軸が必要となるのは、相手がその分野につ…

良いコミュニケーションは、水のごとし。

これまで多くの人と2人でお酒を飲んできた。 そんな中で、今日は良いさし飲みができたな、と思える瞬間が、時たまある。 相手に気を遣うことなど忘れて、ただただ話が弾んで、あっという間に時間が過ぎる。 実は、そういった飲みの中で話した内容というのは…

中途半端であることこそ、僕のアイデンティティ。

4月1日から、新卒研修を受けている。 この間、研修の最中に、同期一人ひとりのプレゼンを聴く機会があった。 プレゼンのお題は以下のようなものだ。 「自分が所属しているネット上のコミュニティがあると仮定して、そのオフ会を、幹事の立場で企画せよ」 こ…

さようなら、僕の学生時代。

明日から、僕は社会人になる。 中学でも、高校でも、大学でも、自分が何をやりたいのかなんて、全然わからなかった。 さらに悪いことに、「こういう仕事がしたいと言っておけばかっこよく見えるかな」「こういう人になりたいって言えば人とは違って見えるか…

猫の島に、行きました。

もうすぐ終わる、夢のような日々にさよならを言うために、猫の島に行ってきました。 瀬戸内海に浮かぶ、男木島(おぎしま)というところです。 (下の写真は出航直後の風景です) 高松からフェリーに乗って、約40分。 船を追いかけてくるカモメや、水平線に…

英語を含めた語学ができるようになるための、たった一つの方法。

いきなり身も蓋もない結論を書くが、語学ができるようになりたければ、「その言語が話せなければ死ぬかもしれない」という状況をつくればよい。 例えばヒンディー語。 このブログであまりおおっぴらに書いたことはないが、 僕はインドにいた時、スラムのアパ…

The Velvet Underground & Nico - The Velvet Underground / Andy Warhol が遺した、ロックという新しい芸術のかたち。

1960年代の中ごろ、ニューヨークで新しい芸術の試みがなされようとしていた。 中心となった人物は Andy Warhol。50年代に広告業界のデザイナーとしてキャリアをスタートさせた Warhol は、50年代末からアーティストに転身し、「シルバー・ファクトリー」と名…

自己実現3.0【豊かさを求めるのでも夢から逆算するのでもない人生】

今、自分はどう生きればよいのだろうか。 これは、僕が大学の6年間ずっと考え続けてきた問いであり、また、僕と飲んでくれた多くの学生が語っていた悩みでもある。 仕事が忙しくないそこそこの企業に入って(あるいは公務員になって)、30前くらいで結婚して…

人を誘うのが苦手な人のための、「人を巻き込む」方法。

僕は人を誘うのが苦手だ。 これまで、友達に声をかけて学祭に出店したり、一緒にウェブサイトをつくったりしてきたけど、心の底ではいつも「断られたらどうしよう、この人が気に入ってくれるような時間を提供できなかったらどうしよう」と思っていた。 唯一…

Please Mr.Lostman - the pillows / いつか忘れ去られる運命であっても歌い続ける。1人でも、聴いてくれる人がいる限り。

ブログで何かを発信するという行為は、そう楽なものではない。 特に僕にとっては、ブログは無味乾燥な情報を掲載する場所ではなく、自分のメッセージを書きつける場所であるから、なおさらだ。 一生懸命書いても、誰にも届かないのではないか…。届いたとして…

自分の好きなことが、世の中から求められることだったら。

自分の好きなことが、世の中から求められることだったら、どんなに幸運だったろう。 自分がやりたいと思ったことが、世の中から肯定されるようなことだったら、どんなに気楽に生きられるだろう。 「警察官」とか、「弁護士」とか、「医者」とか、どんな職業…

きみのブログに、アクセスはいらない。

ブログを書いていると、時たまスコールのようなアクセスを受けることがある。 自分の書いたものを多くの人に読んでもらえるのは、誰にとっても嬉しいことだろう。もちろん、僕も嬉しい。 しかし、僕にとっては、アクセスを集めることはブログを書き続ける本…

コミュニケーションの3つの目的から考える、「コミュ力」の正体。

僕が大学生とさし飲みをしていて時々聞くのは、「自分はコミュニケーション能力がなくて、なかなか他の人と仲良くやることができません」という話だ。 ただ、僕はそうした相手とまさにその時一緒に飲んでいるわけだが、別段その人がコミュニケーションが苦手…

凡人であることを、僕は叫びつづける。

僕は、つくづく平凡な人間である。 しかし、それを心の底から理解するまで、20年以上の歳月を要した。 少なくとも大学に入るまでは、自分にはどこか特別なところがあるはずだと、思い込んでいた。 難しい本を読んで、誰も興味を持たないような文章を書いて、…